いま、臨床の現場でも用いられている、プラズマ療法。
プラズマの持つさまざまな特性が医療の世界でも花開きつつある。 臨床の現場において毎日患者さんと接しているドクターの中でも、治療の一環としてプラズマ療法を取り入れている例は増えている。ここでは、そうしたドクターたちの生の声を特集してみた。
■防衛医科大学第一外科
医学博士 黒川胤臣先生
黒川先生は防衛医科大学において長年末期がんの臨床研究に携わり、現代西洋医学だけでなく、東洋医学なども応用し、患者さんに合う治療法を選択し実績を積み重ねている。
黒川先生は日本プラズマ療法研究会において、プラズマ療法の臨床的検討を発表している。
その内容は
(1) がん患者のクオリティオブライフ(生活の質)改善に有用性が示唆された。
(2) がんの集学的治療の補助療法となる可能性が示唆された。
(3)ペインコントロール(痛みの管理)に有用性が示唆された。
(4) 自覚的に温熱感が高まり、冷え性などの末梢循環障害に有用性が示唆された。
以上により、プラズマ療法は臨床的に副作用もなく安全で有意義な補助療法となる可能性が期待されるが、今後もさらに症例を加えて各方面から検討する必要がある、と結んでいる。
◎黒川先生の主な症例
1.56歳女性 子宮頸癌の例
検診で早期ガンと診断。 大学病院で手術を勧められたが拒否。 プラズマ療法施行後、同大学病院での9ヶ月再検にて子宮頸がん消失と診断された。3年後経過観察検査でも子宮頸がんは認められなかった。
2.66歳男性 膵臓がんの例
大学病院では進行がんにて手術不適用とされ、抗がん剤施行。副作用対策としてプラズマ療法を併用。 初診時は顔色不良、呼吸苦、疲労倦怠感著明、 背部痛、食欲不振、 歩行やや困難などの症状も、プラズマ療法後、 これらの症状は徐々に改善され、身体が軽く感じられ気分も良好、体力も戻ってきたとのこと。1年3ヶ月で腫瘍マーカーも半減した。
3.59歳女性 肛門部胆管がんの例
某病院にて肝右葉・胆管切除手術を施行。 術後、抗がん剤、温熱療法、 P-53遺伝子療法施行。 プラズマ療法併用開始。 さらに東洋医学、 食餌療法、サプリメントも併用。 8ヶ月後に子宮体がん合併にて子宮全摘出手術施行。 その後腫瘍マーカーは正常化して抗がん剤中止。 プラズマ療法は継続している。
4.65歳女性 膵頭部がん・肝移転の例
下痢、黒色便、貧血、左下腹痛、左腰背部痛にて大学病院へ。膵頭部がん・十二指腸粘膜がん浸透部出血、多発肝転移、ステージ4にて手術不適用。 抗がん剤開始、余命2~3ヶ月の宣告を受ける。大学病院から紹介を受けプラズマ療法開始。約7ヶ月で食欲、疼痛が改善し、普通便となり貧血も改善。腹部の腫瘍も軟化・縮小が認められた。
5.65歳男性 胃がん・肝転移の例
検診で早期胃がんと診断されたが、 手術・ 抗がん剤を拒否。 各種民間医療にて加療したが、 右脇腹痛にて再受診し肝移転と診断され、手術や放射線治療は不適応と言われた。 そこでプラズマ療法と抗がん剤を開始。 サプリメントなども併用した結果、徐々に食欲や倦怠感が改善。 肝・胃の腫瘤も縮小して全身回復、地元に帰郷した。
6.54歳男性 左肺小細胞がんの例
がん専門施設で左肺小細胞がんと診断。入院して抗がん剤治療を勧められたが、通院希望で入院を拒否。 プラズマ療法に加え、ビタミン剤、食餌療法などを併用。 1ヶ月後のPET検査で7割改善、4ヶ月後には腫瘍マーカー正常値になり抗がん剤終了。8ヶ月後のPET検査で肺腫瘍が消失した。
これらの結果から黒川先生はプラズマ療法は抗がん剤副作用抑制効果によるクオリティオブライフ改善と、がん組織の抑制作用が示唆され、プラズマ療法による明らかな副作用は認められなかった、としている。
■健康増進クリニック院長
医学博士 水上 治先生
水上先生は、がんは西洋医学の標準治療以外にも方法はあり、その人に合った補完療法を効果的に使えば、進行がんでも治る可能性は充分にあると力説している。
◎水上先生の主な症例
1.アトピー性皮膚炎の例
計5回のプラズマ療法で、患者本人曰く「アトピーがひどく夜ぐっすり眠れないのですが、 プラズマ療法を受けている間はかゆみも感じず、何か別区間にいるような感じでとてもリラックスできました。命の充電を受けたような感じで、定期的にお世話になりたいです」と述べていた。
2.パーキンソン病の例
初回来院時、祖先定まらず固定、会話不能、自力で動けない、気温が低くても暑がるの症状。 それがプラズマ療法3回目から少しずつ会話し始め、8回目頃から普通に会話が出来るようになった。その後暑がり方が少なくなり、 「異常な感じ」がなくなる。現在は歩行訓練中、自力でベッドから車椅子へ移れるようになった。ここまで32回のプラズマ療法を実施。
3.椎骨動脈解離性脳動脈瘤の例
激しい頭痛を感じ、大学病院で椎骨動脈解離と診断され入院。一度退院して再入院したが、脳動脈瘤は大きくなる一方。 プラズマ療法を開始し、2日に1回30分のペースで1ヶ月実施。 プラズマ飽和水も毎日欠かさず摂取したところ、血流は止まり脳動脈瘤は吸収され縮小安定状態に。後、経過観察。
4.膝に水が溜まり強い痛みの例
10年前から膝に水がたまり強い痛みが。 総合病院で2~3ヶ月に一度、水を抜いてもらっていた。プラズマ療法1回目で痛みが和らぎ水が引いた。2、3回目で痛みがなくなり、 8回目には 「正座できそうで、完治に近い」と海外出張へ。
5.肺がんからの骨移転が消失した例
肺がんの診断を受け抗がん剤治療を開始。同年中にリンパ節移転と恥骨移転。 同年に右肺上葉および横隔リンパ切除し、 抗がん剤治療は中止。 以後、プラズマ療法を週2回のケースで10回実施したところ、 呼吸が楽になり食欲が出てきた。 そしてPET-CI検査で恥骨転移消失を告げられた。
■高橋クリニック院長
高橋 知宏先生
高橋先生は専門性の高い泌尿器科を特色とし、救急医療で積み重ねた技術と知識を治療に役立てている。「病気を診るのではなく、人間(全人格)を診る」をモットーに診察を行い、患者さんのあらゆるニーズに応えるべく総合診療科を目標に研鑽し、患者さんに最新の情報と最善の医療をサービスしている。 教科書的でない数々の治療法を編み出し、大変有能なドクターとの評価も高い。
◎高橋先生の主な症例
1. 肛門尖圭コンジローマの例
肛門のイボに気付くも1ヶ月間放置。 その後、 特効薬であるベセルナクリーム5%を処方するも、三ヶ月後再診で肛門は糜爛の副作用と尖圭コンジローマのさらなる増殖を認めた。その時点から毎週1回のプラズマ療法単独治療を開始した。 プラズマ療法開始後5週間で、7カ所に認めた尖圭コンジローマの全てが消失した。 消失後7ヶ月が経過したが再発は認められなかった。
2. 陰茎尖圭コンジローマの例
他医療施設で陰茎の尖圭コンジローマと診断。液体窒素とベセルナクリームの併用治療を受けるが、腫瘍の増殖と糜爛の副作用が出現したため、2ヶ月後に当院を受診する。 早速プラズマ療法の単独治療を週2回実施。1ヶ月後、患部の糜爛は改善、尖圭コンジローマの腫瘍性病変は固定化し腫瘍表面皮膚は角質化した。 これを良性化と判断し電気焼灼手術を行い、患部は正常皮膚に再生した。
高橋先生は、これらの症例から、 ウィルス感染が原因のさまざまな悪性腫瘍、例えばヒトパピローマウィルス・HPVが原因の子宮頸がん、B型C型肝炎ウィルスが原因の肝細胞がん、ヒトT細胞白血病ウィルスⅠ型が原因の成人T細胞白血病などの治療に、プラズマ療法の可能性が示唆されたとの検討を加えている。
■プラズマセラピーサロン
代表 加藤 憲正氏
●主な症例
1.左乳がんの術後例
医療機関で手術、 化学療法を行い、抗がん剤を使用しながらプラズマ療法を受診。 以前より抗がん剤の副作用が軽くなり、血液検査では白血球と肝臓の数値が減少。 その後、 抗がん剤からホルモン療法に切り替わったが、副作用はほぼなく、現在は仕事にも復帰している。体調も落ち着いている。
2.肺がん転移の例
ステージ3の右肺がんが見つかり、手術・抗がん剤・放射線で消失するも、左側に転移。以後、プラズマ療法を開始。初回検査時、肉体疲労度が80以上の慢性疲労状態、自律神経の活動及び交感神経・副交感神経の値が低下していた。 週2~3回プラズマ療法を行ない、 約20日ほど経った頃、医療機関にてCT等検査を行ったところ、腫瘍マーカーはマイナスで、CTからも影が消えていた。慢性的な肉体疲労も回復し、活動減少やバランスを欠いた自律神経も正常化した。
3.不眠・精神症状で精神安定剤、睡眠導入剤服用の例
初回検査時では肉体疲労度が80以上の慢性疲労状態。風邪を引きやすく、不眠+ストレスに弱いということから、精神安定剤や睡眠導入剤を
服用していた。 プラズマ療法を2ヶ月弱行ったところ、疲労度が大幅に減少、自律神経の活動も大幅に上昇するという結果が出た。 現在は薬を飲んでいないとのこと。
4.極度の疲労感、首凝り、掌蹠膿疱症の例
肉体疲労度が80を下回ることがなかったが、プラズマ療法を2回行っただけで71まで減少した。さらに掌蹠膿疱症を足裏に患っており、夏場などは水泡が出来やすかったが、 プラズマ療法を行ってからは水泡の出来る回数が減少したとの報告があった。 プラズマ療法を受けると体調が良いとのことで、現在も週1回来院している。
■ドリームヒント
校長 加藤るみこ氏
◎主な症例
1.6歳女児 ケルスス禿瘡の例
国立病院に入院し、そこで初めてケルスス禿瘡という白癬菌による感染症と判明。痛みが強く、治るのに半年、治っても髪の毛が生えない可能性もあると判明。 プラズマ療法を開始。 プラズマウォーターも週1ℓを飲み、患部にもかけていた。 1年半後、 すっかり髪の毛も元通りに生え揃い、今は元気に学校に通っている。
2.愛犬ラブちゃんの多発性関節炎の例
男性59歳の愛犬ラブちゃんは発熱が続き、 多発性関節炎と診断。 多臓器不全で臓器摘出の手術もした。 再生能力がなく、傷口が何度も開き、2回縫合手術を実施。全身の毛が抜け皮膚ははがれ、一日おきに強いカンフル剤を打ってようやく立ち上がれる状態で、 安楽死も考えていた。 プラズマ療法を開始して1年半後には、すっかりもとの元気な姿に戻った。
■日本プラズマ研究会
東京研究室 千秋 貴弘氏
●主な症例
1.19歳女性 進行性脳性マヒの改善例
1,300gの未熟児として生まれる。 保育器で対応するも無呼吸発作が起こり脳障害に。 1歳で脳性マヒと診断。小学校入学前に股関節脱臼し手術、車椅子の生活が始まる。 19歳の時にプラズマ療法を開始。6ヶ月で地べたに座った状態から車椅子のアームレストを掴み、介助なく一人で反転して座ることが出来るまでに回復している。
■プラズマサロン Tenki 目黒
代表 小又誠氏
1.前立腺がん多発骨転移及び胃がん併発の例
定期検診により前立腺がんの告知を受ける。 他に転移がないため放射線治療を拒否。 民間療法を開始する。 その後左大腿骨を骨折し、左下肢に浮腫が出現、一時病状が悪化。 レントゲン検査で左骨盤から大腿骨近位部まで病的骨折があり前立腺がんの骨転移が疑われた。リンパ節の腫大はこぶし大あり、周囲の筋肉の腫張あり、左副腎腫大、胃壁の肥厚もあった。 ここでホルモン注射、ゾメタ点滴開始、放射線治療を開始。放射線治療終了後プラズマ療法を週5回ペースで開始。1ヶ月後骨の状態が安定しリンパ節も目立たなくなる。 2ヶ月後に退院し、通常の生活を送り始める。
以上紹介したように、プラズマ療法はいま医療施設やサロンなどで数多くの実績を積み重ねている。
今後、さらに症例が増えれば、 プラズマ療法の有効性がエビデンスとしてより認識されるものと確信している。
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