東洋医学では、人それぞれの体質を「気・血・津液(水)」のバランスや「虚実(不足と滞り)」という観点から分類しています。それぞれの体質を正しく理解し、適切なケアを行うことで、健康維持や不調予防に役立てることができます。本記事では、東洋医学的体質診断の基本から、セルフチェック方法、体質別の養生法まで詳しくご紹介していきます。

東洋医学的体質診断とは何か
東洋医学的体質診断とは、気・血・津液の状態や、虚実のバランスをもとに、自分の身体の傾向や弱点を把握するための診断方法です。体質を理解することで、日常生活に取り入れるべき食事や運動、生活習慣が見えてきます。病気予防や体質改善を目指すためには、まずは自分の体のタイプを知ることが大切です。
代表的な東洋医学的体質タイプと特徴
東洋医学では、いくつかの典型的な体質タイプが知られています。主なタイプとその特徴は以下のとおりです。
・気虚体質
疲れやすく、風邪をひきやすい傾向があります。食後に眠気を感じることが多く、声も小さめです。
・血虚体質
顔色が青白く、めまいや立ちくらみが起こりやすいです。肌は乾燥しやすく、爪が割れやすいのも特徴です。
・陰虚体質
体に熱がこもりやすく、ほてりや口の渇き、便秘、寝汗などの症状が見られます。
・陽虚体質
手足の冷えが強く、朝起きるのがつらく感じることがあります。下痢しやすく、温かい飲み物を好む傾向があります。
・気滞体質
ストレスを溜め込みやすく、胸のつかえやため息が増え、イライラしがちです。
・血瘀体質
血流が滞るため、肩こりや頭痛、唇の色が暗くなる、シミやアザができやすいといった症状が現れます。

体質別に実践したい養生法とおすすめ食材
自分の体質を把握したら、それに合わせた養生法を取り入れることが大切です。
・気虚体質の場合
エネルギーを補うために、山芋や鶏肉、かぼちゃなどを積極的に食べると良いです。無理をせず、軽いストレッチや散歩を取り入れることもポイントです。
・血虚体質の場合
レバー、ほうれん草、なつめなどの血を補う食材を食事に取り入れましょう。規則正しい生活と十分な睡眠も重要です。
・陰虚体質の場合
梨や豆腐、山芋など水分を補う食材を摂取し、夜更かしを避けてこまめに水分補給を心がけます。
・陽虚体質の場合
羊肉、生姜、シナモンなど体を温める食材を摂取し、冷たいものはできるだけ避けましょう。
・気滞体質の場合
柑橘類やミント、香味野菜など、気の巡りを促進する食材を食べることが効果的です。リラックスする時間を大切にしましょう。
・血瘀体質の場合
黒豆、納豆、玉ねぎなど血行をよくする食材を意識的に取り入れ、長時間同じ姿勢を避け、適度な運動を心がけます。
体質は変化することを意識して生活する
体質は年齢や季節、生活環境によって少しずつ変化していきます。現在の自分の体質を知るだけでなく、定期的に見直すことが重要です。ライフステージや体調の変化に合わせて食事や生活習慣を調整することで、心身のバランスを保ち、より健康的な毎日を送ることができるでしょう。
体調に不安がある場合や、セルフケアだけでは改善が難しいと感じる場合には、専門の漢方薬局や鍼灸院に相談することをおすすめします。プロのアドバイスを受けることで、より自分に合った体質改善方法を見つけることができるでしょう。