スポーツ障害予防に効く東洋医学の知恵


はじめに

スポーツに怪我はつきもの。そう言われてきました。しかし近年、東洋医学の知見を取り入れることで、「怪我をしにくい体」「早期回復できる体」を目指す選手が増えています。プロアスリートだけでなく、部活動や趣味でスポーツを楽しむ人にとっても、東洋医学は重要なコンディショニングの選択肢です。

本記事では、スポーツ障害に対する鍼灸・整体のアプローチと、その根拠について詳しくご紹介します。

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Photo by Juan Salamanca on Pexels.com

スポーツ障害とは?

スポーツ障害とは、運動の繰り返しや負担により引き起こされる慢性的な怪我のことを指します。代表的な例として以下のようなものがあります。

・野球肩・テニス肘(腱や関節の慢性的炎症)

・ジャンパー膝・シンスプリント(膝や脛への繰り返し負荷)

・アキレス腱炎・足底筋膜炎(下肢への過度なストレス)

これらは単なる「使いすぎ(オーバーユース)」だけが原因ではなく、身体の歪み・柔軟性の低下・血流障害・疲労の蓄積など複数の要因が重なって起きます。

鍼灸・整体がスポーツ障害に効果的な理由

【1】筋肉の緊張を緩和し、可動域を広げる(整体)

骨格のゆがみを整えることで、特定部位への過度な負担を減らし、全身のバランスを回復します。研究では、脊柱や骨盤のアライメント調整が運動パフォーマンスや怪我予防に貢献することが示されています(※1)。

【2】血流と気の巡りを促進する(鍼灸)

鍼灸は筋肉や腱の緊張を和らげ、微細な血管の循環を改善します。疲労物質の排出が促進されるため、回復力の向上と炎症の軽減が期待できます。また、鍼刺激により中枢神経系が活性化し、**痛みの抑制(鎮痛効果)**が生じることも科学的に確認されています(※2)。

【3】自律神経を整えることで回復力を高める

競技のストレスで交感神経が優位になると、体は回復モードに入りにくくなります。鍼灸は副交感神経を活性化し、睡眠の質や免疫力を高めることで、疲労の蓄積を防ぎます(※3)。

東洋医学の強み:全体を見る視点

西洋医学では症状のある部位を直接治療することが多いですが、東洋医学は体全体の「気・血・水」のバランスを整えるという発想が特徴です。

たとえば「肘の痛み」で来院された場合でも、実際には肩甲骨や骨盤の動きが関係していることも多く、全身的な評価と調整が必要です。この「木ではなく森を見る」アプローチが、根本的な予防・再発防止につながります。

怪我をしない体を目指すために

スポーツで怪我をしないためには、日々のトレーニングだけでなく、回復・整えるケアが必要不可欠です。トップアスリートが鍼灸や整体を取り入れているのは、「怪我をしない体」=「勝てる体」をつくるためです。

あなたも、今日から東洋医学の知恵を味方にしてみませんか?

【参考文献・データ】

※1:Page P. “Current Concepts in Muscle Stretching for Exercise and Rehabilitation.” Int J Sports Phys Ther. 2012

※2:Nielsen A et al. “The Effect of Acupuncture on Sports Performance and Recovery: A Systematic Review.” J Altern Complement Med. 2017

※3:Litscher G. “Autonomic Effects of Acupuncture.” Neurochem Res. 2012


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