
「試合後半に急に動けなくなる」
「トレーニングしても持久力が上がらない」
「いつもより早くバテる気がする…」
これらの“スタミナ切れ”、実は筋力不足や心肺機能の問題だけではないことをご存じですか?
東洋医学の視点では、体の“巡り”の悪さや、特定のツボの働きの低下が原因になっている場合もあります。
つまり、「気・血・水」のバランスとツボの状態がスタミナに大きく関わっているのです。
スタミナの低下は「未病」のサイン?
西洋医学では、スタミナ=筋力+心肺機能と考えることが多いですが、東洋医学ではもう少し広い視点で捉えます。
🔹「気」:生命エネルギーそのもの。気が不足すると疲れやすくなる
🔹「血」:全身をめぐる栄養と潤いの源。血が滞ると持久力が落ちる
🔹「水」:体内の体液・リンパ。水が停滞すると体が重だるくなる
スタミナが切れるのは、これらの流れや働きに不調が起きている証拠。
ツボは、これらを整える“スイッチ”の役割を果たしているのです。
パフォーマンスを支える「スタミナ強化ツボ」3選
① 関元(かんげん)
場所:おへそから指3本分下
「元気の源」と書いて“関元”。
気力と体力を高める代表的なツボで、スタミナ低下・慢性疲労の人には必須のポイントです。
▶ 試合や練習の前日に軽く温めたり、ゆっくり深呼吸しながら刺激するのがおすすめ。
② 足三里(あしさんり)
場所:膝の外側、膝下から指4本分下のくぼみ
“足の疲れ”と“胃腸の働き”を同時に整える万能ツボ。
消化力の低下やエネルギー代謝の乱れも、スタミナ切れの大きな原因です。
▶ 指の腹で3〜5秒を数回押し、反対側の足も同様に刺激しましょう。
③ 太谿(たいけい)
場所:内くるぶしとアキレス腱の間のくぼみ
腎の機能を高め、体内の「精(エネルギーの源)」を補うツボ。
慢性的なだるさや、汗をかいた後の疲労回復にも役立ちます。
▶ 入浴中にゆっくりと押すと、血行も良くなり一石二鳥。
スタミナを整えるには「補う」「巡らせる」が鍵
ツボは単なるスイッチではなく、「足りないものを補い」「滞ったものを巡らせる」力があります。
鍼灸では、気血の流れを調整しながら、神経・ホルモン系にも間接的に作用 整体では、姿勢や関節のゆがみを整えることで呼吸・循環機能を改善
特に東洋医学的なアプローチでは、“未病”=まだ病気ではないけど不調がある状態にこそ、大きな価値を見出します。
スタミナが落ちてきたと感じたら、それは体からの「予告サイン」かもしれません。
トップアスリートも実践する「スタミナの整え方」
実は多くのプロ選手が、ツボ刺激や鍼灸・整体をトレーニングの一部として取り入れています。
疲れを翌日に持ち越さない回復法 試合当日に“動ける状態”にする事前ケア 年齢とともに落ちる持久力の維持と底上げ
これらはすべて、「補い、整え、回復する力を高める」ケアによって支えられています。
まとめ|“ツボ”を味方につけて、スタミナ切れにサヨナラ
✔️ 走ってもバテにくくなった
✔️ 試合終盤まで集中が続く
✔️ 翌日まで疲れが残らない
そんな変化が、毎日の“ツボケア”で少しずつ実現できるのです。
筋力だけに頼らない、体の内側からのスタミナ強化。
あなたのパフォーマンスは、まだまだ伸ばせます。
【参考文献】
『経絡経穴概論 第2版』 医道の日本社 Langevin HM et al. “Connective tissue as a body-wide signaling network: implications for acupuncture.” J Altern Complement Med. 2006 日本鍼灸師会『鍼灸と運動パフォーマンスに関する研究資料』2022年版