正しく、上手に水分補給。体と命を守る「水」のとり方とは?


💧 はじめに|「水分、足りていますか?」

暑い季節、熱中症や脱水のニュースをよく目にしますが、

実は**季節を問わず「慢性的な水分不足」**に悩まされている人は少なくありません。

「水分はちゃんととっているつもり」でも、

・コーヒーやお茶で済ませている

・喉が渇いてから飲んでいる

・一気飲みや冷たい飲料ばかり

という方は、“うまく水分補給できていない”可能性があります。

今回は、**現代医学と東洋医学の両面から、「本当に身体が喜ぶ水のとり方」**を丁寧に解説いたします。

🧠 まず知っておきたい:体と水の関係

私たちの身体の約60%は水分でできています。

具体的には、

血液やリンパ液として栄養や酸素を運ぶ 体温を調整する(汗・蒸発) 老廃物を排出する(尿・便) 関節や臓器を保護する 神経の伝達や代謝反応に関わる

など、**すべての生命活動のベースとなるのが「水」**です。

そのため、水分が不足すると、

めまい・頭痛 集中力低下・疲労感 便秘・肌荒れ 足のつり 自律神経の乱れ 代謝の低下・むくみ

といった、全身の不調につながっていきます。

📌 医学的に推奨される「水分摂取量」とタイミング

■ 1日に必要な水分量は?

成人であれば、1日あたり約2〜2.5リットルの水分摂取が必要とされています(※1)。

これは食事に含まれる水分を除いた**“飲み水”として1.2〜1.5Lが目安**になります。

■ タイミングと分け方のコツ:

起床後にコップ1杯(寝ている間に失った分を補う) 午前・午後にそれぞれ2〜3回、こまめに少量ずつ 入浴前後・運動前後・就寝前にもコップ1杯程度 「一度にがぶ飲み」ではなく、少しずつが原則です

※喉の渇きを感じる時点では、すでに体内の水分が1〜2%失われている状態です。

☕ 飲み物の選び方|水?お茶?スポーツドリンク?

✅ おすすめの飲料:

常温または白湯(体を冷やさない) 麦茶・ルイボスティー(ノンカフェインで利尿作用が少ない) ミネラルを含む天然水や電解質水(特に汗をかいたとき)

⚠️ 注意が必要なもの:

コーヒー・緑茶・紅茶(カフェインに利尿作用あり) 清涼飲料水(糖分・添加物が多い) 冷えた炭酸飲料や氷水(胃腸の働きを弱める)

「飲んでいるのに、なんだか調子が悪い」場合、“飲み方”や“飲み物の種類”が原因のこともあります。

🌿 東洋医学から見る「水分不足」とその影響

東洋医学では、身体の水分バランスは「津液(しんえき)」と呼ばれます。

これは、血液以外のすべての体液(リンパ・汗・涙・尿・唾液など)を指します。

津液の不足や停滞により起きる症状:

津虚(しんきょ):肌や粘膜の乾燥、便秘、口渇、微熱、疲労 水滞(すいたい):むくみ、めまい、関節の重だるさ、頭重感 痰湿(たんしつ):体内の水分がうまく代謝されず、体が重くなる状態

東洋医学では、「水のとりすぎ」も「足りなさすぎ」も両方が不調の原因とされ、

体質や季節、活動量に応じた調整が重視されます。

🪡 鍼灸・整体でできる水分代謝の調整

水分補給だけでは整わない体内バランスには、鍼灸や整体が有効です。

🔹 鍼灸で整える:

脾胃(消化器)の働きを高め、水の吸収を良くする 腎(排出系)を補い、老廃物の排出を促す 気の巡りを改善し、水の偏り(むくみ・冷え)を防ぐ

効果的なツボ例:

足三里(胃腸を整える) 陰陵泉(むくみ解消・水代謝調整) 太谿・照海(腎を温め、冷え改善)

🔹 整体で整える:

骨盤・内臓まわりの動きを回復させ、代謝を活性化 自律神経を整え、体液循環をスムーズに

💡 まとめ|「水を飲む」ことは、最高のセルフケア

水分は、薬でもサプリでもなく、誰でもできる基本の健康習慣です。

しかしその“基本”が、意外と難しく、間違った水分補給が体調不良を引き起こすこともあるのです。

「疲れやすい」「むくみやすい」「なんとなく調子が悪い」

そんなときは、“水のとり方”を見直すことが、あなたの体を根本から整える第一歩になります。

【当院では】

水分代謝・むくみ・冷えなどに関連する体質の不調に対して、

東洋医学の知見に基づいた鍼灸・整体を行っています。

自分の身体に合った水分のとり方や、体内環境の整え方も一緒にご提案します。

お気軽にご相談ください。

【参考文献・情報源】

厚生労働省「健康のため水を飲もう」推進運動 日本生理学雑誌「水分摂取と体内水分バランス」 WHO「Water, Sanitation and Health」報告書 2023 『中医診断学』人民衛生出版社


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