
「未病(みびょう)」とは何か?
「なんとなく体がだるい」「最近疲れやすい」「眠りが浅い」
このような症状があるのに、病院では「異常なし」と言われた経験はありませんか?
東洋医学では、こうした状態を**「未病(みびょう)」**と呼びます。
病気ではないけれど、健康でもない——まさに「病の入り口」の状態です。
未病の段階で気づき、ケアを行うことが、健康寿命を延ばす第一歩。
そこで今回は、プロの鍼灸師が実践している「未病ケアの極意」と、
毎日押すだけで体調を整える“厳選3ツボ”をご紹介します。
なぜツボが未病に効くのか?
東洋医学では、体には**「経絡(けいらく)」**という“気・血・水”の通り道があるとされます。
ツボ(経穴)はその通り道に点在する重要なスイッチのような存在。
ツボを刺激することで、体内の流れが整い、
内臓や自律神経の働きを自然にサポートすることができます。
現代医学でも、ツボ刺激が以下のような効果を持つと報告されています:
- 自律神経の調整(副交感神経の活性化)
- 血流改善
- 筋緊張の緩和
- 内臓機能の活性化【※1】【※2】
毎日押したい!未病を防ぐ3つのツボ
① 足三里(あしさんり)
場所: ひざのお皿の下、外側にあるくぼみから指4本分下
効果:
消化器系を整え、全身の免疫力を高める“万能ツボ”と呼ばれています。
ストレスや疲労で胃腸が弱っている方にもおすすめです。
② 内関(ないかん)
場所: 手首の内側、手首のしわから指3本分ひじ側
効果:
自律神経を整え、吐き気や不安感を緩和。
動悸や不眠、乗り物酔いにも効果があるとされます。
気持ちがザワつく時は、ここを優しく押してみましょう。
③ 三陰交(さんいんこう)
場所: 内くるぶしの頂点から指4本分上、すねの骨の後ろ側
効果:
婦人科系の不調や冷え、ホルモンバランスの乱れに◎。
特に女性にとって重要な“体質改善ツボ”といえます。
PMSや更年期、冷えに悩む方におすすめです。
ツボ刺激のコツと注意点
- 1日1〜2回、5秒押して5秒休むを3セット
- 息を吐きながら押すと効果的
- 爪を立てず、心地よい圧で
- 食後すぐや飲酒後、発熱時は避けましょう
継続こそが、体質改善への近道です。
鍼灸整体で「未病」を整えるという選択
鍼灸院では、ツボ刺激をさらに精密に行い、
整体と組み合わせることで以下のような効果が期待されます:
- 姿勢や骨格のゆがみの調整
- 血流やリンパの循環促進
- 内臓の働きの活性化
- 自律神経のバランス回復
不調が現れる“前”に整える——
それが私たち鍼灸師の目指す「未病ケア」です。
まとめ|ツボで整える、未来の健康
🔹「なんとなく不調」が続く人
🔹病気ではないけれど調子が悪い人
🔹年齢のせいと諦めたくない人
そんな方にこそ、ツボ刺激と未病ケアをおすすめします。
健康は、今の小さな習慣から変えられます。
「ツボを押すこと」から始まる、未来の健康管理。
あなたのカラダの声に、今日こそ耳を傾けてみませんか?
📚参考文献
※1:Lee JH et al. “Acupuncture for autonomic nervous system dysfunction.” Int Rev Neurobiol. 2013;111:273-94.
※2:Zhou W, Benharash P. “Effects and mechanisms of acupuncture based on the principle of meridians.” J Acupunct Meridian Stud. 2014;7(4):190-3.
※3:厚生労働省 e-ヘルスネット「未病とは」
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/metabolic/ym-081.html