野菜からミネラルを摂取することは、世界的に困難な時代。


50年前に比べると、 現代の野菜に含まれる栄養分は、わずか20%程度に減っている!!

現代野菜は昔の野菜に比べ、含まれる栄養分が激減している。

野菜はビタミン・ミネラルの宝庫。 だから、よく食べなさい。 こう言われて、私たちは育ってきた。 しかし、今の時代に、この言葉は通用しない。 テレビや新聞などの大マスコミはほとんど報道しないが、日本人の食生活が、 というより、 日本人の健康そのものが、いま大変な危機に直面している。

そのひとつの理由は現代のライフスタイル。食生活におけるファーストフードやファミリーレストランなどの外食産業に占める割合が年々高まり、加えてインスタント食品の普及。 これはこれで存在価値は認めるのだが、ミネラル摂取という観点から見ると大きな問題が生じる。 これらの食事に頼ると、必然的にビタミン・ミネラルが不足し、慢性的な栄養素欠乏症になってしまう。 いわゆる 「半病人」 で、 これこそビタミン・ミネラル不足が生んだ現代病といえるのではないだろうか。

そして、もうひとつの理由。 これが恐いのだが、 私たちが健康のためにと毎日食べている野菜に、 いま大きな異変が起きている。しかも、ほとんどの人がそのことに気付いていない。 ほうれん草や人参、大根など、代表的な野菜そのものが、 栄養失調になっている現実だ。50年前と比べると、 栄養素の含有量が大きく減少し、なかでもミネラルに至っては飢餓状態ともいえるレベルまで落ち込んでしまっている。 いまや、いろいろな野菜をまんべんなく食べても、必要なミネラルは摂取できなくなってしまった。 「野菜はビタミン・ミネラル豊富な栄養ある食物」は、ほとんど形骸化してしまったと言えるだろう。

鉄分を例にすると、50年前に比べ平成2000年の時点で、ほうれん草 85%減、にんじん90%減、 大根80%減、 果物のりんごに至っては含有量ゼロという恐ろしい状態にまでなってしまった。 しかもこの状態は鉄分に限らず、ほとんどのミネラルに共通して言えるのだ。

化学肥料、農薬に頼った農業が招いた結果。

では何故、こんなにも栄養素が減少してしまったのか。 それは、化学肥料を中心とした現代農法に原因を見つけることができる。戦後の農業は、 早く、 大量に収穫することを目的としてきた。 そのためには、窒素、リン、カリ偏重の化学肥料が有効だったのだ。これにより、 作物自体が地中深く根を張り土壌からミネラルを吸収する必要がなくなってしまった。これを長年繰り返すことにより、 野菜自らがミネラルを吸収する努力をしなくなったのだ。 同時に、 収穫を早めることにより、 栄養素が充分に蓄えられる以前に出荷することが日常化していった。

さらに、大量散布の農薬は、 ミネラルの吸収を助ける微生物が生息しにくい環境をつくってしまった。 これにより、 作物自体がミネラルを吸収しにくくなり、収穫された作物にはミネラルがあまり含まれないという結果を招いてしまったのだ。本来ミネラルは地中に存在する元素。 自然に増えることはない。 かつてミネラルは、作物によって吸収され、 人間が食べる。 そして、人間が排泄し、それを堆肥として土に戻す。 そうした循環で地中のミネラルはバランスを保ってきた。 それが、 化学肥料、農薬の大量かつ長期使用により、 堆肥が不要になり、地中のミネラルは減少の一途を辿ったのだ。土地は年々疲弊し、 痩せ衰え、 本来持っている機能を発揮できないようになった。

この傾向は、ますます顕著になる一方だ。残念なことに、野菜から、充分なミネラルを摂取できる時代は終わったと言えよう。すべての病気の根本はミネラル不足にあるが、ミネラル不足を招いたのは土壌の病気である。

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