ドアノブに触れようとした時、 突然パチッと衝撃を感じる静電気。誰もが一度や二度は経験しているのではないだろうか。他にも、セーターを着た時やカーペットの上に足を乗せた時など、日常生活のさまざまなシーンで静電気は起きている。これは体の表面に静電気が溜まり、 何かのきっかけで一気に放電するものだ。この静電気を体表静電気と呼ぶ。
これと同じ現象は体内でも至る所で起きている。 例えば、血液が血管を流れる時、 血液壁と赤血球が擦れあったり、 赤血球同士がぶつかりあうなどした時にも静電気は起きる。 基本的に静電気は、物が動くところには必ず発生している。リンパ液が流れても、心臓が鼓動しても、 消化管を食べ物が通っても発生するのだ。これを体内静電気という。そして、この体内静電気が、じつはさまざまな体調不良の原因を呼んでいる。
体内静電気の毒性は、ふぐやサソリの毒と同じメカニズム。
体内に溜まった静電気は、 毒性という二次弊害も起こしてしまう。 これは、ふぐやサソリの毒とほぼ同じメカニズムだ。
ふぐ毒のテトロドトキシンは、青酸カリの約850倍という極めて強い毒性が特長。これが体内に入るとナトリウムイオンの出入口を遮断してしまう。これにより神経細胞は、情報を伝達するための電位がつくれなくなり、 他の細胞はエネルギー活動を停止し、体が麻痺、やがて死に至る。
これに対し、サソリの毒カリブドトキシンは、ナトリウムイオンの出入口を開けっ放しにしてしまう。するとナトリウムイオンが大量に流れ込み、 細胞内外のイオンバランスが急激に崩れ、神経細胞で異常電位が発生、神経回路がショートすることにより体が麻痺、同じく死に至ってしまう。
体内静電気は、慢性的にじわじわと神経細胞を冒していく。
例えば、 細胞膜の外側がプラスに帯電した場合、同じプラス電荷を持つナトリウムイオンは当然のごとく反発しあって、細胞膜に近付こうとしない。 つまり、 ふぐ毒がナトリウムイオンの出入口を遮断させる現象と同じ状態をつくりだすことになる。もちろんふぐ毒のように急性は持たないから、すぐ命に関わるということはないが、体のだるさといった形で症状が出てくる。
また、細胞膜がマイナスに帯電した場合は、ナトリウムイオンの出入口を開けっ放しにしてしまい、サソリ毒と同じような現象が起こってくる。 体内静電気は、ふぐやサソリのように急激に毒性を発揮するわけではない。しかし、慢性的にじわじわと着実に細胞を痛めつけていく。その結果、体調不良を引き起こし、やがては病気へと進むのだ。
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