遺伝子の97%は、 眠ったまま活用されていない。
私たち人間の体は、細胞からできている。そして、その細胞の核と呼ばれる部分にあるDNA (デオキシリボ核酸)という物質が遺伝子だ。 遺伝子の中には約30億という膨大な情報が描かれており、この量は千ページの本を三千冊積み上げたほどの情報量に匹敵する。 しかも一般の成人は、この膨大な情報量を持った細胞が37~60兆個(推定)集まって人間の体をつくっている。一般成人は誰しも例外なく60兆個の細胞を持ち、その1個1個の細胞には等しく30億もの情報が描かれているのだ。
しかし残念なことに、この遺伝子、 常に働いているのは全体のわずか3%でしかない。残りの97%は眠ったまま、スイッチがオフになっている。じつにもったいない話だ。でも、このことは見方を変えれば、人間誰しも限りない可能性を秘めていることの裏返しともいえるだろう。 電源の入ってない97%の遺伝子を、ほんの少しでもスイッチオンにすれば、どのような可能性が花開くかわからない。 この可能性は万人共通のもので、けっして例外はない。
強いハングリー精神が、 遺伝子をオンにする。
では、どうしたら眠ったままの遺伝子を起こすことができるのだろうか。 スイッチオフの遺伝子をスイッチオンにするためには、何をしたらいいのだろう。
ひとつのヒントがある。 フランスのパスツール研究所で行なった大腸菌の実験だ。 大腸菌はブドウ糖を好んで食べる。エサに乳糖を混ぜても、ブドウ糖を選んで食べ乳糖には見向きもしない。そこで、ある時エサにブドウ糖を与えず乳酸だけを与えた。 すると大腸菌は、最初のころは食事を拒否していたが、やがて乳糖を食べ始め、乳糖だけで種を増やし始めたのだ。
日本に古くから「窮すれば通ず」という諺がある。 これは、人は物事に行き詰まってぎりぎりの土壇場に追い込まれると、活路が見つかるという意味だ。 つまり、大腸菌はぎりぎり追い込まれた結果、乳糖を食べ活路を見い出したといえる。 そこには、ハングリー精神が働いたのだ。 この強いハングリー精神こそが、遺伝子のスイッチをオンにする。「もっとこうしたい」という強い意志こそが、限りない可能性を花開かせるのだ。
遺伝子オンを妨げる6つの要因。
アメリカの心理学者A・H・マズロー博士は、人間の可能性を阻害するものとして
1. いたずらに安定を求める気持ち
2. つらいことを避けようとする態度
3. 現状維持の気持ち
4. 勇気の欠如
5. 本能的欲求の抑制
6. 成長への意欲の欠如
以上の6つを挙げている。
これらはそのまま、 遺伝子のスイッチオンを妨げる要因だ。世の中には、時には奇跡としか思えないようなことが起こる場合がある。 でも、その奇跡が起こるには一定の条件が必要だ。それは、熱意と努力だ。 ただ漫然と生きている人には奇跡は起こらない。 奇跡は自分で引き寄せるものなのだ。 前記の6つの要因を捨て、一生懸命目的に向かい努力している人にだけ幸運は訪れる。
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