頭部は身体の一番上に位置する。 頭部は人体でもっとも重要な働きを有する部分である。 次のことに留意しておこう。
●頭部には身体のコントロールセンターである脳が存在する。 脳を意識の座と考える人もいる。
●頭部の前面は顔である。 顔はわれわれが誰であるか、またわれわれが何を感じているかを他の人に伝える。
●頭部の前面である顔には口があり、声が出てくる。声によって、われわれは自分に関する情報を他の人に伝える。
●五感のうち4つの感覚が頭部だけに生じる。視覚、聴覚、 臭覚、味覚をつかさどる器官が頭部にある。さらには、バランスに関する主要器官も頭部に存在する。
●頭部には、呼吸系、消化系の入口がある。 生命維持に不可欠な2つの機能、すなわち呼吸と消化はここに始まる。
頚部の主要機能は次の2つである。
●頚部は頭部を体幹とつなぎ、 頭部と体の各部との連絡経路となる。
●頚部は頭部を支え、頭部を動かす。
頭痛は頚部の筋肉のトリガーポイントに起因することが多い。 そうした頭痛はトリガーポイントを施術することで、 「完全に「治る」とは言わないまでも、頭痛の起こる回数や痛みの度合いを減らすことができる。われわれは、矢状正中線よりも前方へ耳が出てしまっている人をよく見かける。このような姿勢は、往々にして後頚部に筋筋膜トリガーポイントを形成する。 整体的視点では「頭を体幹よりも前に突き出していると、後頚部はリラックスする暇もなく、絶えず緊張していなければならない。そのため、そのような姿勢は、後頚部の筋筋膜トリガーポイントを活性化させてしまう」といえる。しかし後頚部に現れたトリガーポイントだけを施術しても、痛みはめったに止まらない。 長期にわたって痛みのない健やかな生活をおくるには、姿ミスアライメントを引き起こしている元を全身的に正さねばならない。
頭蓋骨は22個の骨からなっていて、自由に動かすことができるのはそのうちの下顎骨だけである。 頭蓋骨は縫合と呼ばれる継ぎ目で結合され、 実に固く噛み合っていて動かないようになっている頭蓋骨は環椎とも呼ばれる第1頚椎につながる。
頭蓋骨の後頭題は、環椎上面にある2つの空豆状の関節面に載っている。 環椎は椎体や棘突起を欠き、リングに近い形をしている。 環椎は軸椎とも呼ばれる第2頚椎に載っている。 軸椎の歯状の突起物(歯突起)が、 環椎のリングに突き出ている。 頭を左右に回す時、環椎は歯突起の周りを回転している。頚部は重い頭を支え、また、外部環境を感じ取る感覚 (特に視覚)を使うために頭部を動かす働きがある。 そのため、頚部の筋肉は数が多く、太くて強いが、それでも痛みや機能障害を起こしやすい。頭部、顔面部、頚部の筋肉は、次のように分類することができる。
●頭皮の筋肉には、 主に後頭筋と前頭筋(1つの筋肉として捉えた場合、 後頭前頭筋と呼ばれる)、そして側頭筋の背面部分が含まれる。 これらの筋肉は、頭皮と額を動かす。
●顔面の筋肉は、主に顔の表情をつくる。
顎の筋肉は、 下顎骨を動かすことで口を開いたり閉じたりする。
●頚の筋肉は、 脊柱上の頭を支え、頭のバランスを取り、 そして頭を自由にうごかす。
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