これは、アインシュタインとともに20世紀でもっとも化学に貢献し、 化学の父とも呼ばれたライナス・ポーリング博士の言葉だ。 彼は生涯で2度のノーベル賞を受賞したことでも有名だが、 人生の後半においては、特にビタミン・ミネラルの研究に心血を注いだ。 その彼が極めた言葉で、 それだけミネラルは私たちの体に必要で、大きな影響を与えている。
そもそも、ビタミン、ミネラルって何??
よく、ビタミン・ミネラルと、ひとつの言葉でまとめて使われるが、ビタミンとミネラルはまったくの別物だ。 ビタミンとは動物や植物が体内で合成して作り上げた有機化合物だが、ミネラルは土や水のなかに存在している無機物の総称で、 “単体成分”ではない。いわゆる鉱物で、土や岩の成分、元素である。
元素とはあらゆる物質を構成している最少単位のこと。 人間の体は細胞からできており、細胞は分子の集合体。 そして分子は元素が集まったものなので、つきつめると、人間の体は元素の集まりということができる。つまり、人体は元素によって構成されている。
現在、地球上には約110を超える元素が確認されており、その中で炭素、水素、酸素、窒素の元素を除いたものをミネラルと言い、人間の生命活動に必要な元素を必須ミネラルと呼ぶ。
さらに、必須ミネラル中でカルシウム、ナトリウム、カリウム、リン、硫黄、塩素、マグネシウムの7種類は、比較的人間の体に豊富に存在し、食事からたくさん摂取すべきもので主要ミネラルに分類される。
それに対し、1日の必要量が100ミリグラ以下の必須ミネラルを微量ミネラルといい、鉄、亜鉛、銅、 マンガン、ヨウ素、セレン、モリブデン、コバルト、クロムの9種類がこれにあたる。 この主要ミネラルと微量ミネラルのどれもが不足すると、 人間の体はさまざまな欠乏症を起こすことになる。
ビタミン、ミネラルは、自分の体内で作ることができない!
ビタミン・ミネラルに共通していることは、人間が自分の体内で作ることができないという点だ。 特にミネラルは、 自然の土や水の中に溶けて含まれているもので、 人間が直接摂取することは不可能。 そこで野菜や果物に依存するわけだ。 植物は土壌などに含まれているミネラルを養分として吸い上げる。
したがってミネラルは、野菜や果物、 海藻はもちろん、それらを食べた動物や魚などもに存在し、人間はそれを食べることによってしか、ミネラルを摂取することはできない。
とくに、ミネラルがないと、人間の体はまったく機能しない!
人間の体は、炭素、 水素、酸素、窒素の4元素で全体の約96%を占めている。 そして、残りはたったの4%。 この4%がミネラルだ。しかし、たった4%とはいえ、 ミネラルなくしては人間の生命活動は維持できない。 それほど重要な役目を担っている。
三大栄養素と言われる炭水化物、 脂質、タンパク質もミネラルなしではまったくその役目を果たさない。 私たちが食べ物を食べても、そのままの姿で吸収されるわけではない。食べ物は消化分解→吸収という過程を経て、 始めて役にたつ。 その分解という極めて大切なポイントには酵素が必ず必要で、その酵素に仕事をさせるのがミネラルだ。 酵素が働く時には必ずミネラルが必要で、ミネラルが欠乏すると分解作業は低下し、体に支障をきたすことになる。
炭水化物はブドウ糖に分解されエネルギー源になり、脂質はコレステロールやリン脂質に分解され細胞の構成要素や運動エネルギー源になる。 またタンパク質はアミノ酸に分解され、血液や臓器、筋肉、骨など、体の重要な組織をつくる。 これらの栄養素の正常な働きを支えるのがミネラルだ。 ミネラルがなければ、 三大栄養素もまったくの無価値となる。
また、ビタミンが体内におけるすべての生物科学的活動に必要なことは、誰もが知っているところ。 それらの活動も、ミネラルの存在なくしては機能しない。 つまり、ミネラルは私たちの体の構成要素のたった4%でしかないが、 この4%がなければ人間の体はまったく機能しないと言えるのだ。
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