皮膚のバリアゾーンを破壊する
石鹸の役割とは何でしょう。 ①汚れを落とすこと。 ②殺菌して皮膚を清潔に保つこと。 大きくはこの2つです。その目的というのは、皮膚の若さと美しさを保ち、老化や衰えをできるだけ遅らせることにあります。汚れを落として清潔にした皮膚を、さらに美しく装うために化粧品を使います。 ところが、現在、お使いになっている石鹸も化粧品も本来の役割を果たしていないのです。ほとんどの化粧品、石鹸には、合成界面活性剤が使われているからです。水と油という本来は混じることがないものを融合させるものですが、これは肌にとても悪い働きをするのです。皮膚には、皮脂 (脂肪酸)というバリアゾーンが張られ、外からの汚れや異物、細菌などの侵入を防いでいます。 ところが、界面活性剤は、皮脂を破って侵入し、皮膚に必要な水分を取り、不要な油分を入れてしまうのです。 そのため肌を傷めることになります。多くの石鹸やほとんどのシャンプー、リンス、洗剤は合成界面活性剤を使っています。 石鹸の原料は、脂肪酸ナトリウムと脂肪酸カリウムという界面活性剤です。これ以外はすべて合成界面活性剤です。 石鹸といわれながら、合成界面活性剤を使った「洗剤」と同質の石鹸はたくさんあります。皮膚科で健康障害の原因の第1位は、合成界面活性剤であることが、公的機関の調査で明らかです。湿疹、アトピー性皮膚炎、手荒れ、オムツかぶれ、 頭皮障害、内臓障害などの原因とされ、母胎にも悪影響を及ぼし異常出産の一因になっていると言われています。
人体と自然環境に悪影響
さらに合成界面活性剤は、河川に流れ込んでも、分解されません。 それだけでなく、河川を浄化しているバクテリアを殺してしまうので、水質を悪化させるとともに、 自然環境の食物連鎖のバランスまで壊してしまいます。このように、合成界面活性剤は、人体と自然環境にとって悪影響を及ぼすものなのです。
皮膚トラブルの最大の原因
石鹸の素材である界面活性剤は、分解されます。 ところが製造過程に用いる合成界面活性剤は、分解されません。 毒性が強く、皮膚に障害をもたらすだけでなく、体内に入ると肝臓でも分解されず、 肝臓の細胞を破壊して、肝臓障害や発ガンを促し、血液成分を減少させたりします。シャンプー、リンス、合成洗剤、石鹸、化粧品等、 私たちが普段使用しているものには、合成界面活性剤が使われて、私たちは非常に危険な環境にいるといえます。顕著に現れる皮膚のトラブルの原因の多くは、 合成界面活性剤だと言われています。 悪いのは石油系だけではない 界面活性剤についての大きな誤解があるのは、「石油系合成界面活性剤は悪い」というものです。これは、石油系以外の合成界面活性剤なら安全であるという錯覚を与えています。特に化粧品メーカーがゴマ化しているのは、アミノ酸系合成界面活性剤や自然物由来の合成界面活性剤は安全という印象を植え付けようとしています。たとえば、アミノ酸は、体にいい栄養素だから、アミノ酸から作られた合成界面活性剤は体によさそうなイメージを抱きがちです。 しかし、「皮膚のバリア機能を破壊する危険な界面活性剤」 であることに変わりありません。だから「アミノ酸系石鹸は安全」という宣伝を見たら、 眉にツバをつけた方がいいでしょう。新しいタイプの合成界面活性剤に、 水溶性合成ポリマーがあります。 おもに美容液に使われているもので、 肌に潤いを与えることを謳っています。 しかし、これには恐ろしい仕組みが隠されています。「水+水溶性ポリマー+合成界面活性剤」という組み合わせか、これに油分が加わったものが基本です。これを皮膚に塗ると恐ろしい事態が進行することになります。合成界面活性剤と水溶性ポリマーが皮膚のバリアゾーンである皮脂を取り、次に、界面活性剤が角質の細胞の間にある脂質を取ってしまい、皮膚のバリアを破壊してしまいます。 そこから水を浸透させて、皮膚を膨張させるのです。そして、皮膚にたっぷり染み込んだ水を逃さないように水溶性ポリマーが薄い皮膜でカバーします。 これが 「保湿」の正体です。しかし、この化粧品を使わないと、皮膚に入れてある水は蒸発してしまい、10日くらいたつと、皮膚は乾いて以前よりひどいシワシワになってしまいます。 実際には、 皮膚のバリアが破壊されたままです。このように「百害あって一利なし」 の合成界面活性剤。 美肌を保つには、合成界面活性剤を避け、 無添加の石鹸、化粧品を使うことが、 美肌を実現する近道であるといえます。